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「まあ、そうなの。フォーム女侯爵は、博識なのね」
「もしご迷惑でなければ、私のことは名前でお呼び下さいませ。ところで、同じ作者の新作である『愛しきグーヴェルナント』は読まれましたか?」
「っ!?」
共通の話題に対して、楽しそうに話す二人を微笑ましく眺めていると、予想外の単語を聞いて私は思わず飲もうとしていたお茶を吹き出しそうになりました。何とか堪えましたが、おかげで鼻がツンとしましたので、咳払いを装いながら私はハンカチで鼻や口を押さえました。
そのリアクションと言うよりも、本のタイトルになっているグーヴェルナント(ディアスキア語の『女家庭教師』です)から、私がモデルだと連想した二人がこちらを見てきます。
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