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国立レイスティル高等学校は、俺の家からそう離れたところにはなかった。
国の首都にあるこの学校は、国でも有数の名門学校であり、俺の家から歩いて30分程度の距離だ。
決して近いとは言えないが、たかだか30分のために寮などの一人暮らしをすることもないだろう。
この学校は言ってしまえばエリート校のようなもので、正直受験なんて事前からの対策をほとんど練れなかった理由もあり、受かったことも俺が勇者の孫ということが大きいんじゃないかと思っている。
まあなんであれ、受かったことをどうこういっても真相など分かる訳もないので、ネガティブに考える必要もないだろう。
ともあれ、無駄に過大評価されて期待されるというのはそれもまた肩身が狭い思いをしてしまうのだろう。
そんな過大評価も裏切らないようにと努力を続けるもの大変で、やるせない。
他人からは羨望と妬みの視線を向けられ、疲れるだけの毎日。
まあそれも慣れとは恐ろしいもので、もうそんな視線も人々の対応も慣れたものになってしまったのは本当のことである。
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