#01 * 雪将

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「えっ……と、その……ごめん。」 ……何で僕が謝るんだ? そもそもここは男子トイレだぞ! 入り間違えた?   そんなのありえない! でも何だろう……この背徳感。 自分がとてつもなく論理違反なことをしている気がしてきた…… 中途半端な体制から思うように身動きが取れず、 ただただ困っていると、 少女は鞄から分厚いメモ帳を取り出した。 学園のバッグ……ということは、この小さな少女はうちの生徒か。 ……多分、後輩? ひたすら推理を巡らせている間に、少女は何かを走り書きして、 僕に見えるように高くかかげた。 ”トイレ、使いたいの?” もしかして…… いや、もしかしなくても、この子…… 馬鹿なんじゃないかな。
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