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「その…とりあえず、一回そこから出てみるのはどうだろう?」
僕の唐突な話題転換に、少し困ったような表情を見せて、
歌子さんは便座から立ち上がった。
ここで一点、絶対に誤解しないでほしいのは、
歌子さんが座っていた便座は、きちんと蓋が閉められていて、
当然制服もちゃんと着ていたし、
事の真っ最中に僕が上から覗き見した、
なんて事件は起こっていない。
分かってはいると思うけど、
一応、その、念の為というやつだ。
ご存知の通り(ご存知ではないかもしれないが)、
僕には友達がいない。
男女関わらず、何故かも分からず、
とにかく気づいた時にはそうなっていた。
だから僕は、
この少々イレギュラーな境遇に賭けた。
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