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そうは見えないですが。
「休憩に忙しいです。それと、ジュンさんとお話するのに忙しいです」
キーボードを打つ僕の手が止まった。
「邪魔です?」
「いいえ、そんな事は」
ルミはお喋りだけれど煩くはない。
タイミングがいいといえようか。
今のように一区切りの時に声が聞こえてくる。
僕はノートパソコンを閉じた。
「君は――」
「名前で」
「――ルミさんはどうして僕と話を?」
「面白そうだったので」
面白い?
「いつも同じ席でいつもノーパソかたかたしてて、いつもコーラで。なんていうか――」
一目惚れの感覚です、とルミは言った。
僕は今年で四十八になる。
学生の、子供の一言で動揺するほど事も重ねていない。
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