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ニモはコーラを運んでいって、戻ってきたと思ったらカウンターの中のキッチンで何やら作り出した。
店内に小さくBGMはかかっているけれど、美味しそうないい音の方がよく聞こえる。
いい匂い。
落ち着く――落ち着いてきた。
「ほい」
と、目の前に新たに皿が置かれた。
「……頼んでない」
「飯食ってねぇんだろ? 俺も食うから。半分な」
うん、と私は頷く。
トマトソースが絡んだパスタ。
粉チーズたっぷり。
「……むかつく。美味し」
「知ってる」
ニモはいつも通りだ。
「頑張ったのも知ってる」
……頑張ったのかな、私。
「めっちゃ好きだったのも知ってる」
うん、好きだったよ。
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