te al latte

5/6
前へ
/14ページ
次へ
 ニモはコーラを運んでいって、戻ってきたと思ったらカウンターの中のキッチンで何やら作り出した。 店内に小さくBGMはかかっているけれど、美味しそうないい音の方がよく聞こえる。 いい匂い。 落ち着く――落ち着いてきた。 「ほい」  と、目の前に新たに皿が置かれた。 「……頼んでない」 「飯食ってねぇんだろ? 俺も食うから。半分な」  うん、と私は頷く。 トマトソースが絡んだパスタ。 粉チーズたっぷり。 「……むかつく。美味し」 「知ってる」  ニモはいつも通りだ。 「頑張ったのも知ってる」  ……頑張ったのかな、私。 「めっちゃ好きだったのも知ってる」  うん、好きだったよ。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加