赤い雨

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お姉ちゃんにとりあえずお城に帰ることだけを伝えた私は、水遊びに未練を残しながら飛び立つ。 頭に巻き角を持った白い竜。 ガルドがゆうには、もし病気であれば、人の姿に近い私は竜達が看病するよりも、人間に看病してもらった方がいいだろうとのことだった。 「ふゆぅ……」 せっかくここまで来たのに、子供達と遊ぶことも、ガルド達から様々な知識を学ぶこともできず、長い耳をしゅん、と垂らしてうなだれる。 「レイラ殿、私の背にお乗りください」 リーンの言葉に、いつもならモフモフを触れると喜ぶけれど、今はあまり元気にはしゃげない。 「ふゆ、分かったの……」 遊びたくても遊べない。 仕事をしたくてもできない。 それが悲しくて、仕方なかった。 「レイラ殿……元気になったら、また………来るといい…子供達、待っている………」 そうヒューマに励まされ、私はようやく顔を上げる。 「うんっ! 早く元気になるの!」 本当に、ただ視界がおかしかっただけで、どこかが痛いとか、体がだるいなんて症状はない。 もしかしたら、風邪の引きはじめとかゆわれている状態なのかもしれない。 そんな楽観的思考で、私はリーンの背に乗る。 「レイラ殿、どうかお大事に……」 心配そうに私を見るガルドに対して、私は大きくうなずき、視線を空へと移す。 「では、飛びますね」 そうゆったリーンは、ゆっくり折り畳んでいた翼を広げ、飛び立つ。 私が住むバルスフェルト城にたどり着いたのは、その三十分後だった。
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