赤い雨

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「レイラ、今日は竜達のところに行ってしまうのよね?」 「ふゆっ、そうなの! ちゃんとお仕事するの!」 お仕事とはゆうけれど、実際は遊びに行っているようなものだ。 まだそれぞれの色に生え変わっていない、フワフワとした真っ白な毛並みを持つ竜の子供達。 猫くらいのサイズで、最近は飛べる子も多くなってきたその子達の相手が、私のお仕事の一つだ。 もちろん、竜族の長であるガルドと呼ばれている白く巨大な竜との対話もある。 ただ、そのガルドが竜族全体の意見をまとめてくれているため、実質、私はガルドのお話を聞いて、覚えて、お姉ちゃん達に伝えればいいだけだ。 …お姉ちゃん達みたいな資料をたくさん処理するようなお仕事に少し憧れるけれど……。 今のところ、竜王としてのお仕事は少ない。 ガルドは少しずつお勉強して、お仕事をすればいいってゆってくれるけれど、ちょっとだけ、不満ではあった。 「うーん、今日はもう、これでレイラには会えないのよねー」 ぎゅぅうっと後ろからお姉ちゃんに抱き締められた私は、とりあえずされるがままになる。 「こら、シェラ、それではレイラが出発できないでしょう?」 そうゆうフィーも私の頭を撫でてくれる。 ……二人とも、どうしたのかな? 「ふゆぅ、お姉ちゃん、フィー、これじゃあ動けないのー」 前と後ろに二人がいたら、さすがに動けない。 力ずくで動こうと思えばできるけれど……。 「うー、レイラ、早く帰ってきてね?」 「ふゆっ! 分かってるの! ちゃんと、明日の朝には帰るのー!」 「明日の朝、迎えを寄越しますね」 「ふゆっ! お仕事だいじょーぶ?」 迎えが誰かは知らないけれど、私が竜の谷から帰ってくるときは、必ずお姉ちゃん達の誰かが出迎えてくれる。 ……私としては、お仕事に支障が出ないかがとっても不安だ。 「えぇ、大丈夫ですよ。必ず誰か一人は仕事を終わらせていますから」 そんな優しいフィーの言葉で、私は少し安心する。 「分かったの! えっと、時間はまた、十分前くらいには連絡するの!」 「そうですね、よろしくお願いします」
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