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みたところ、百四十センチそこそこの少女には、アリアの服は大きすぎるようだ。
しかし、女物の服なんて他になく、僕は申し訳なく思いながら少女の服を脱がせ着替えさせた。
未発達な体は、未だ幼さのかげりを潜めていて、あまり気にならずにすんだ。
「ん……これは?」
着替えの途中、背中に大きな火傷の痕を見つけ、痛々しさに顔をしかめた。
こんな小さな体に、どれほど重い宿命を背負ってきたのか、僕には想像もできない。
そう考えていると、少しだけ同情した。
「ん……」
着替えをすませ、後片付けをしていると少女が目を覚ました。
「あ、気がついた?」
「……ここは?」
「場所はサウジ。ここは僕の家だよ」
「……そう」
つとめて明るく振る舞い、警戒させないようにする。
少女には聞きたいことがあったし、最初が肝心だ。
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