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ひとたび外へ出れば、悲惨な現実が心を殴り付ける。
僕の住まいより草臥れて、もはや板を張り合わせただけの代物や、壁の一部が瓦解した家。
通りは荒れて、道端にはゴミや動物の死骸があった。
この村は、村というには少し大きすぎた。
住民は搾取される側と、する側に別れていて、たった一本の道を隔てて住み分けされている。
北側に居を構えているのは、古くから村の名士だった者達だ。
田畑を多く持ち、そこで南側の居住者を働かせている。
僕もその中の一人。
給料なんてろくに貰えず、奴隷のように扱われている。
……いや、奴隷だ。
逃げ出したくなる環境だが、逃げ出せない理由がある。
僕達は多額の借金を背負わされているのだ。
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