37人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
村から数十キロ離れた場所に、大陸でも有数の大都市がある。
僕達は義務教育と称してそこへおくられ、三年あまりを過ごすのだ。
では、その義務教育に費やしたお金は、いったい何処から捻出されたのか?
答えは簡単。
名士達が立て替えてるんだ。
そうして知らぬ間に借金を背負わされ、ヒエラルキーの最下層を泳ぐ破目になる。
実に良くできたシステムだ。
義務教育を受け、才覚を発揮すれば大都市で働き口が見つかる。
だが、何の才能も開花しなかった人間は、村へ送還され奴隷となるのだ。
大都市、アスタリアは、僕の住むサウジと裏で繋がり、このシステムを維持し続けていた。
最初のコメントを投稿しよう!