第一章 魔女と僕

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村から数十キロ離れた場所に、大陸でも有数の大都市がある。 僕達は義務教育と称してそこへおくられ、三年あまりを過ごすのだ。 では、その義務教育に費やしたお金は、いったい何処から捻出されたのか? 答えは簡単。 名士達が立て替えてるんだ。 そうして知らぬ間に借金を背負わされ、ヒエラルキーの最下層を泳ぐ破目になる。 実に良くできたシステムだ。 義務教育を受け、才覚を発揮すれば大都市で働き口が見つかる。 だが、何の才能も開花しなかった人間は、村へ送還され奴隷となるのだ。 大都市、アスタリアは、僕の住むサウジと裏で繋がり、このシステムを維持し続けていた。
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