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アスタリアには、騎士団と学者会という大きな組織がある。
騎士団は街の警備や、村への派遣を主な仕事としていて、花方的な立ち位置だ。
僕も憧れた時期があり、幼い頃から剣を振っていた。
しかし、僕に剣の才能はなかった。
ならば学者会へ入り、この世の理を解き明かすことに全身全霊を費やそうと思った。
けれど、学者会はコネと血筋が重要視され、どこの馬の骨とも分からない輩は門前払いだった。
アスタリアは就職氷河期で、飽和状態にある。
つまり、その二つに落ちてしまった場合、路頭に迷うしかない。
そして、村へ。
僕は負けたのだ。
社会という大きな歯車から弾き飛ばされた、ただの鉄屑。
だから、願いはいつも同じ。
平和に、変わりのない日々を過ごしたい。
それだけだ。
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