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「いやっ!?無理だろっ!?街乗りする気でいたのかっ!??」
身体に多くの傷がある...バイパーを預けているチューニングショップの店長に突っ込まれてしまった。
華やかさの欠片も無いドライカーボンだらけの内装、カラーリングですら余計な重量だと塗装を施さない不気味な毒色の外装。
首都高を走る為だけに製作されている毒蛇、こんな化け物は街乗りでは使用不可だと堅く約束されてしまった。
「行けると思っていたんですけど....やっぱり無理だった様です....」
(そりゃあ....謎のルーフウイングやGTミラーにすらカナードを付けている車検が通らなさそうな車じゃ無理でしょ....)
メアも人の事は言えない。
相棒となる存在だから片時も離れたく無いと思い、使いづらくても無理するつもりだったがNGサイン。
仕方が無いのでセカンドカーを購入して夜の首都高を彷徨う。
バトルはしなくとも首都高自体は身体が覚えてくれた。それこそ横羽線のどの場所に亀裂がある、環状線の何処にどの標識があるかなど全て答えられる。
物覚えが早いので助かった、バトルはバイパーが完成したら思いっきりすればいいだろう....
そしてバイパーが完成したのが約一ヶ月前。
丁度"ヴェノム・カーボン"が現れた頃だ。
つまりあのバイパーを運転してまだ一ヶ月そこそこしか経っていない。
眼の前のホクホク顔でピザを食べている女性が
あんな化け物その物な車に乗っている事自体がどうかしているのに
まだ乗り始めて一ヶ月.....?ありえなさ過ぎる....物覚えが良いとは言え非常識過ぎる....
だけどアホ毛がブンブン揺れている堕天使も人の事は言えないので黙っておく
相変わらずセクハラされているが、セクハラされていると言う負のパワーを夜の迷宮にぶつける為我慢しているらしい。
「そのっ....セクハラを止められてしまったら.....私の首都高での本気が出せない気がしまして....だから嫌なんですけど....止めないで欲しいって複雑な心境なんです....フフッ、フフフフ....」
(えっ"?それって....もしかして....璃由良さんは....)
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