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ミウラを尻目に愛車の元まで辿り着く。
外見上変わった所はボンネットフードのダクト、ホイールのみだが中身はベツモノと言って良いだろう。
「トドロキに頼まれた通りマクラーレンのターボ化...完成したよ!」
そう...轟はさらなる力を求めてNAのマクラーレンにターボチャージャーを装着する依頼をしていたのだ。
素晴らしい性能を持つマクラーレンだがターボを取り付けたモンスターマシンと比較すればパワー的には劣る。400近い最高速を叩き出せるとしても"ソレ"に至るまでに時間が掛かってしまう。
だがあくまでもNAに拘り続け戦ってきた。快適性ですら考慮した最高のNAであるマクラーレンの素晴らしさをゼロにしない為、もっと言えば拘りだ。
ノーマルで630馬力以上のエンジンを相当なチューンで800馬力。NAとしてはとんでもないパワーだがそれでも高速域の加速性能はターボ車と比べたら分が悪かった。
そこでNAのまま兎に角頑丈なエンジンにして貰い、足りないパワーはNOSを大量に噴射する事で補い頂点を獲得し戦い抜いて来た。
だが足りなくなってきた、轟の求めている物がNAのままでは見えない、掴み取れない、さらなる高みを目指し決意を決めた。
出来るならNAのままで戦い続け拘りたかった想いはある。
それは"甘え"
さらなる強さと速さを求めるのならば、甘えなど、拘りなど捨てなければならないケースもある。
自らの操作と完全に同調しているフィーリング、限界以上に回るのではと錯覚するほどのサウンド、超パワー勢と比べたらトルク不足・パワーバンド不足だがそれですら轟は好きであった。
流石はマクラーレン・F1だ...速さだけでなく別の喜びですら300km/h以上のバトル時にでも与えてくれる。
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