俺の称号を言ってみろ

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「....オイッ、お前トドロキだろ?やっと見つけたぜ」 一人の外国人が友好ではない雰囲気を纏い話しかけてくる、あからさまに敵視しているが。 「何だお前は初対面なのに偉そうに...敬語使えよ敬語」 「....ふざけんなっっ!!忘れたとは言わせねーぞ?俺の顔をよぉ??」 相当な恨みがあるらしく今にも掴みかかろうと睨みつける。 そんな彼を見ながら缶コーヒーを飲み込む轟は明らかに馬鹿にし、挑発している顔だ。 (ト、トドロキ...彼はあの人だよ....ロスのチャンピオンと言われていた....) クリフに耳打ちされて数秒....そんな奴も居た気がするなぁと何とか思い浮かべたが轟にとってはどうでも良い存在だ。 「....あっ~...元チャンプさんが俺に何か用か?わざわざ日本の首都高速までご苦労なこった。キングである俺様のサインでも強請りに来たのか?」 ラスベガス・ロサンゼルスのキングとなった轟は、以前チャンプと呼ばれていたこの男を倒した過去がある。肝心の本人は忘れていたのだが。 売られた喧嘩は買ってやる口調、クリフは頭を抑えるがもう一人は顔を赤くし怒りを隠せない。ついに拳を振り下ろす。 「...っ!!ざっ!けんじゃね"ぇ"ぇ"!!!てめぇが卑怯なマネをしたから俺は負けたんだ!あんな手を使ってまで勝ちたいのかよっ!!?ええっ!!?もう一度勝負しろっ!!そして俺に負けろっ!!」 「おっと、車で勝てなかったからリアルファイトでもしようってか?別にこっちでも負ける気無いぜ?」 難なく避けられ命中した自販機が大きく揺れる。どうやらマジらしい。 (トドロキ~!挑発し過ぎだよ~!あの人凄い怒ってるって~!) 怖がるクリフが止めようとするが轟からしてみれば"丁度良いイベント"に過ぎない。 テスト走行中のマクラーレンターボだがまだ足りない。満たす為にはやはり実戦....バトルだ。 「おいクソガキ、お前さんのご要望通りもう一度だけバトルしてやるよ。それで気が済むだろ?」 彼は轟の言う通り...元ロサンゼルスでの若きストリート・チャンピオン。 卑怯な手を使われて轟に敗れたと言うが...
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