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「忘れてねーぞ!あの時高速コーナーでプッシングなんてしやがって...俺は抜かされた!あれがキングの走りなのかっ!?卑怯な日本人だなっ!!」
正直...轟は呆れている。
プッシング自体は別に卑怯でも何でもない一つの戦法として認知されている。もっともタイミングが悪かったりやりすぎてしまえば非難を浴びるだろう。
そしてもう一つ、幅寄せやプッシングやブロックなど一見すれば『卑怯ではないがグレー』な戦法はやられる覚悟がある者だけが行う事が出来る。
覚悟があればプッシングだろうがすればいい、直後に相手からのアタックを受ける覚悟があればの話だ...無い奴が行い怒りを買われて潰されたケースもごまんとある。
ルールがその時のレースにあれば間違いなく轟は非難されていたに違いない。だがその時のレースは『先にゴールに辿り着いた者が勝利』以外のルールなど無い。
よって轟がプッシングをしようが関係ない、ルール違反ではないのだから。現にこの男以外は喜び称え楽しんでいたのだから。
極端な話しをすれば子供の良い訳だ、わざわざ日本まで長旅本当にご苦労。
相手からすれば必死なのかもしれないが轟...キングにとっては
「へーへー、良いからさっさと始めようぜ?言葉で争うのは時間の無駄だ。車で争うのが俺達走り屋だろうが」
「....何処までも気に入らねぇ日本人だぜっ!!」
一応ルールとしては新環状右回りを一周、相手よりも早く箱崎PAを通り過ぎた者の勝利となった。それ以外にルールなどはない。そう...何をしようが制限は無い...
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