第1章

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俺、大森 (オオモリミコト)はこの春から大学生。そして一人暮らしが始まる…不安だなぁ。 田舎育ちの俺は、家族や友達、近所のおばちゃんおじちゃん、そこらじゅうの人達に「都会は怖い所だ!油断するな!」と呪文のように言われ続けられたおかげで警戒心はハンパない。 7階建てのワンルームマンション。俺の部屋は301号室、角部屋だ。お隣さんはいない。今は空き部屋だ。 夏になる頃、隣に誰か引っ越して来た。どんな人かな…変な人じゃないといいな…。 ピンポ~ン 「はい。」 「隣に越して来ました曽良俣(ソラマタ)と申します。ご挨拶に伺いました。」 「ちょっとお待ちください。」 ガチャ。 「こんにちは。302号室に越して来ました。曽良俣です。よろしくお願いします。あっ、エリートサラリーマンやってます。」 「こんにちは。大森です。よろしくお願いします。」 嵐のように挨拶して、洗剤をくれて去って行った。 エリートサラリーマンて…自分で言うか?都会は言うのか?まあ、そう変な人でもなさそうだし、いいかっ。 朝、出掛けにお隣さんと一緒になった。 「あっ、おはようございます。」 「おはようございます。」 エレベーターに乗ると曽良俣さんの腰らへんから茶色のもふもふが見えて… 「何ですか?その、もふもふしたの」 素直に疑問を口にすると ゆっくりこっちを見る曽良俣さんの顔から汗が流れ落ちて… 「ポーン1階です。」エレベーターの案内音 ドアが開くと同時に 「何でもないです。じゃっ!」 とダッシュで出て行ってしまった…。 何だあれ…?
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