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まずは服装。 ダークグレーの上下。 マオカラーの上着には、黒のモールにクロスの刻印の入った金ボタン。胸には金色の小さなバッチ。 上着の丈は膝上でつばの広い黒のハットをかぶっている。 一見、牧師風だけど、よく見ると全く違う。 黒革の手袋にルイヴィトンのアタッシュケースを持ち、歳は四十代、色白で金縁の眼鏡。 顔は……大きめな口に、高い鷲鼻。 左右離れ気味の小さな瞳は、虚ろで精気が無い。 ……魚系の顔。  何となくサメに似ている。 『人を外見だけで判断しちゃいけません』子供の頃にそう教わったけど 知らない奴を判断する材料は、まず外見。 服装で好みやステータス。 顔付きで、おおよその性格が判断出来る。 この男へのマリのジャッジはBADの一言に尽きた。 牧師がルイヴィトンのアタッシュケースを持ち歩くわけは無いし、めちゃくちゃインチキ臭い服装。 そして何より 虚ろなクセに落ち着きの無い瞳が気味が悪く、嫌悪感すら感じる顔付きだった。
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