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(……このオジサン危なすぎ!)
殺気立つ男にマリは狂気を感じた。
多分この男は、怒ったら手がつけられないサディステックなタイプで、女子供でも容赦なく殴る……
けっして関わりたく無い危ない奴。
そう判断したが、男が佐和子の写真を持って人探ししている以上、ここでサヨナラするわけにはいかなかった。
「マリ……何となく、その人見た事がある気がするの……」
可愛らしくマリが言うと、マリの一言に男の表情が急変した。
「彼女はどこに居るんだい?」
何かに夢中になった子供のような、キラキラな瞳でマリの手首を掴んだ。
(……ちっ! こいつってサイコ系かっ!? )
虚ろ。狂気。歓喜……
落ち着きの無い視線同様に、瞳の表情がコロコロと変わる。
( キモいし痛いから触るな!! )
「オジさま、痛いよっ……」
甘ったるい声でマリが訴えた。
慌てて男がマリの手首を離した。
「ゴ…ゴメン……で、キミは彼女の事を何か知っているのか?」
「んん……何となく知ってる人に似ている気がするの……でも、誰だったかなあーー……
この人って誰なの?思い出すかもしれないから、何か教えて」
そう言ってマリが探りを入れた。
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