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私はオジサンのBMWで港の側のケーキの美味しい喫茶店にやって来た。
シフォンケーキをホールで平らげて、まだ何となく物足りない。
だってホールって言っても小さめだし、シフォンケーキって軽すぎるもん!
「オジさま。もっと食べて良い?マリ、お腹すいちゃったあー」
オジサンを頷かさせてシュークリームとプリンアラモードを注文した。
一瞬、オジサンが驚いた表情を浮かべた。
(……これくらい普通じゃん!)
ちょっと頭にきたので、イチゴのミルフィーユも追加注文した。
( お腹すいてなきゃ、こんなキモいオジサンとお茶なんかしないよっ!)
でも、最大の目的は、何でこの男が十八年間も佐和子さんを探しているのかを聞き出す事だったので、プリンアラモード以外を全て完食した私はオジサンに尋ねてみた。
「さっきの話しだけど、オジさまは特別な人なの?選ばれたって………?」
オジサンは、ぼんやりとしていて返事が無い。
「……オジさまっ!」
私の問い掛けに、驚いた様子で辺りをキョロキョロと見渡すと、しばらくしてニンマリと気味の悪い笑みを浮かべた。
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