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男は痩せ方の長身で凡そ四十代。
ダークグレーの牧師風の服装で黒いハット帽を被っていた。
牧師自体はごく稀に見かけるし、その服装も認識の範囲内である。だが、男の着ている上着には袖口に金色の飾りボタン、胸元には小さな金のバッチが付いており、質素な神父服のイメージとは何か違う。
胡散臭い奴。瞬間的にマリはそう感じた。
しばし立ち止まって男を観察していると、男は校門から出てくる生徒を捕まえては、写真らしき物を突き付けて何か尋ねているようだった。
「マリちゃん、バイバイ」
フレンドリーな挨拶と共に、後輩の女子の一団がマリの後ろを通り過ぎた。
この街の不良高校生達の頂点に立つのは、同じ高校のもう一人の親友であるユキと言う少女で、ユキが頂点に立つ際の最大の貢献者であるマリは実質的にはNO.2の立場で在る。
しかし、幼稚園の頃からの親友であるレイが一匹狼な性格な為に、マリはユキ達のグループには属してはいない。
行動はレイと一緒。もしくは単独で、レイとは二人でバンドを組んでいる。
マリが天然系な能天気少女である事も相まって、後輩達もフレンドリーな話し口調だった。
マリは笑顔で挨拶を返すと後輩達の後ろ姿を見守った。
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