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「ねえねえ……  ちょっと私にも見せてぇーーっ」 笑顔で可愛く言いながら、目ではしっかりと後輩たちを威圧。 写真を奪い取ったマリは、写真を見ると一瞬固まった。 (……佐和子さん!? ) 写真は十年以上は前のちょっと古びた写真で、綺麗な二十歳くらいの笑顔の女性が写っていた。 ロングヘアーの所為で、一見、レイとは似てないが、実際はレイにそっくりな笑顔の女性……後輩たちが直ぐに気が付かないのは、レイが普段人前では滅多に笑わない為に、レイの笑顔を見たことが無いのである。 マリは写真の女性はレイの叔母である佐和子の若い頃の姿であると確信しながら、嫌な予感度を更にアップさせていた。 『佐和子さんは優しい人よ。でも何だか、誰かから逃げてるみたい………』 マリの母親が昔、ポツリと溢した一言を思い出した。
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