旅立ち①神崎留奈と異端なる者

7/15

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
優真とユウリの妄想では、全身黒タイツに触覚がついたサタンの姿が、黒い矢印の様な槍で、胃をチクチク突く姿が思い描かれ、ユウリのサタンを見る目が恐怖に変わる。 「アワワ…… サタンサン……」 「ちょっ!? ユウリねぇちゃん? 我がそんな事するわけないだろ?」 「わからないわよー。 そうやって、ユウリのお腹を……」 「アワワ……」 「馬鹿! 信じてしまうだろうか! そんな事言うなら、本当にお腹痛くしてや……」 「イタ……イタタタタ……」 「!?」 突然、腹部を押さえ込み、膝をつく優真。 これには、サタンも目を丸くぜざる得ず、ユウリは一層サタンを怖がり始める。 「サタンサン…… ホントニ……」 「なわけなかろう! 大丈夫か!優真ねぇちゃん。」 「!? 優真。大丈夫か?」 「アタタタタ…… アレ……オカシイな…… 本当にお腹が………」 辛そうに腹部を抑え込む優真に、留奈とサタンが駆け寄り容態を見る。 凄い汗を掻き、額に手を当てて見るとかなり高い熱があるのがわかる。 「まずいなぁ……。 近くに休める場所は……。」 「留奈ねぇちゃん! あそこに家が!!」
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加