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サハラ湿地
なんとかロシアを抜けた留奈達は、元砂漠だった地にたどり着いた。
「………。暑い。」
「アツイ……チガウ……ムス…セイカイ。」
「とりあえず、この湿地を抜けねば、中国にはたどり着けないな。」
あたりには、ラクダと思われる動物の骨が散乱し、元々乾いた地であったせいか、湿地というよりは池に近く、足首まである水が足取りを重くしている。
「はぁ……。
これじゃ、テントを張るにも張れないし、休むことも出来ないわね。」
「アーイ……。
ヌイグルミモオモイナッテキタデス。」
「あぁ。その風呂敷はぬいぐるみだったのか。
我が持とう。」
「アーイ…。アリガトデース。」
と、サタンがユウリから風呂敷包みを受け取ると背中がびっちょりと濡れ、ずっしりと重くのしかかる。
「うぉっ!?
これは……もしや……。」
ユウリの背中もびっちょりと濡れている事に気づいたサタンは、魔力で風呂敷包みを浮き上げ、ぎゅーっと絞ってみた。
すると、風呂敷包みから大量の水が溢れ出してくるではないか!
「はぁー。こりゃ重いはずだ。
」
「サタンサン。
ヌイグルミイヂメヨクナイ。」
「いや…てかこんだけ湿気てるのも良くないぞ。」
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