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「ばっ!馬鹿なっ!
あの娘の心を読んだ時にはそんなこと1つも……。」
「それに、康介じいさんの事もじじいとは呼ばない。
それで確信した。
お前は刹那では無いし、取り憑いているわけでも無いとな!」
「くっ!ふっ……
人間とは難しい生き物よな。
死体の方がわかりやすくていい。」
と、自分の顔を剥ぎ取る様に真の姿をさらけ出した。
「ふははは!!
私が真の姿を見せたからには、貴様らには死あるのみ!
同胞として、私の部下にしてやる!
さぁ!ゆけぇー!同胞達よ!
貴様らの無念を晴らそうではないか!」
先程まで、刹那であった姿が、黒いローブに骨を包んだモンスターと化すと同時に、地中からアンデッド達がワラワラと手を伸ばし、這い上がってくる。
「ちっ……。
リッチか。」
「リッチ?」
由奈の問いに、拓也が答える。
「リッチとは、死期を察したネクロマンサーが自らの体に術を掛け、アンデッド化したものだ。
魔力も生前より増している分やっかいなモンスターだよ。」
「………。
銃弾……効くかな……。」
と、由奈は苦笑し、息を飲む。
「わからない。
だが、真戦組は手出し無用って事だ。
総司!皆、術式の中で避難だ!
死人がでれば、それだけ不利になる。」
「…………。
心得た。」
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