初代英雄、弥達の動向①

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「先生。ちょっと離れていてくださいね。」 「あぁ……。」 拓也が汚れた白衣の袖で涙を拭き、側を離れると恵里が十字を切り聖なる弓矢を作り出す。 「あなたが弥さんね。 私は神巫恵里。 あのリッチはあなたにとどめを刺してもらうわ。」 ショートカットで綺麗な黒髪をかきあげ、にこりと笑う。 「あぁ……。 それは構わないが、その弓では倒せないのか?」 「んー。とどめを刺すのには、少し足りないの。 だから、そのアイスブランドの属性を変えるわ。 聖水で出来た剣になるっていう方が正しいかしら。」 「!? やめろー!!アンデッド共! 我を…うぐぁぁぁぁ!!」 「そうそう。 その拘束具は、魔力を高めるとより締まって痛いから。 出来るわね?弥君。」 その言葉に、弥晴らして1つ頷き、剣を高らかに構える。 だが、1つ気がかりな事があった。 それは…。 「………。 わかった!さっきまでの恨みを晴らしてやる! おい!リッチ!やる前に聞いておきたい。 刹那をどこにやった!」 「ふっ!あの娘か? あの娘なら、デュラハンにくれてやったわ! 今頃、首を取られている所だろうなぁ。」 「…………。 恵里さん。頼む。」 「ホーリーエンチャント!」 弥の剣が白く輝きだし、まるで水晶の様だ。 「これで終わりだぁ!!」
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