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篤哉
まさか、美知子さんのひ孫が痣渓村にやってくるなんて。
俺は、走りながらあの日の事を思い出していた。
曽祖母が高校生になったお祝いをくれると聞いて、久しぶりに曽祖母の家に行った。
曽祖母は、俺に会うと嬉しそうに微笑んだ。
「前に篤哉君が来てくれたのは、お正月だったね。
あの時より、また大きくなって」
「大ばあちゃんは変わらないな。
まだ、公民館や、学校の仕事してるんだろ。
もう90才に近いんだから、大変じゃない?」
「この年になっても、働かせてもらえるなんて幸せよ。
事務っていっても、雑用だけだし」
俺は大ばあちゃんに聞かれるまま、学校の話や友達の話をした。
直人と、智、雅美、春香とよく遊びに行く事。
実は、春香が好きだけど、まだ告白していない事。
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