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山村留学
平成27年。山崎市。
「ねぇ、大輔。
一緒に夏休み、痣渓村に山村留学して欲しいんだけど」
「はぁ?
痣渓村って、ど田舎で携帯は圏外だろ?
せっかくの夏休み、携帯が使えないなんて絶対無理!」
やっぱりね。
幼馴染みで彼氏の大輔を、痣渓村の山村留学に誘ったけど断られちゃった。
私も別にどうしても行きたいって訳じゃないし、やめておこうかな。
「美里、どうして山村留学なんか行こうと思ったんだ?」
「痣渓村は、私のひいばあちゃんが亡くなった所なんだよね。
中学生の時から、ばあちゃんに一度痣渓村に行って来て欲しいって頼まれてたの。でも、正直、あんな山奥の村に行きたくないんだけど」
「ふーん。ばあちゃんの頼みか。
何か理由があるんだろうな。
気になるな。行きたい訳じゃないけど。
今日の放課後、美里の家によるよ」
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