山村留学

1/20
1474人が本棚に入れています
本棚に追加
/526ページ

山村留学

平成27年。山崎市。 「ねぇ、大輔。 一緒に夏休み、痣渓村に山村留学して欲しいんだけど」 「はぁ? 痣渓村って、ど田舎で携帯は圏外だろ? せっかくの夏休み、携帯が使えないなんて絶対無理!」 やっぱりね。 幼馴染みで彼氏の大輔を、痣渓村の山村留学に誘ったけど断られちゃった。 私も別にどうしても行きたいって訳じゃないし、やめておこうかな。 「美里、どうして山村留学なんか行こうと思ったんだ?」 「痣渓村は、私のひいばあちゃんが亡くなった所なんだよね。 中学生の時から、ばあちゃんに一度痣渓村に行って来て欲しいって頼まれてたの。でも、正直、あんな山奥の村に行きたくないんだけど」 「ふーん。ばあちゃんの頼みか。 何か理由があるんだろうな。 気になるな。行きたい訳じゃないけど。 今日の放課後、美里の家によるよ」
/526ページ

最初のコメントを投稿しよう!