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蒼の竜
とある花園で少年少女はゆったりと紅茶を飲んでいた
勿論、ケーキはあったが…先程の口論により犠牲となった
唯一紅茶のみは、造ったものではなかったため毒舌なレビィアは何も言わずに飲んでいた
「そういえばレビィア、さっき俺に話しかけて来た奴、初めて見た奴だったが新人か?」
アリスにそう言われてレビィアは少し記憶を辿る
そういえば、先程の口論の休戦中に話しかけている使者達が居たことを思い出した
多分、彼が言いたいことは眼鏡を掛けた使者の事だろうと考えたレビィアは口を開いた
「あぁ、彼のことですか。彼の名前はゲールです。頭もキレており腕も高いので文武両道ですよ」
「ふーん…という事は、アイツは生き残れそうか」
「本当は、連れてきてはいけないのですが自ら行きたいと志願したほどですからね、命知らずと言うべきですかね?」
そう言いながらレビィアはもう一度紅茶を飲んだ
ゲールはレビィアにとっては大切な後輩でもあり、数少なき理解者でもあった
だがしかし、つい先日この世界の事を話してしまい強い興味を持ってしまったのだ
まさかあれ程興味を持つとは思わなかったが、たぶん変わり者の自分に影響されたからだろうとレビィアは考えていた
紅茶を飲み終わると改めて周りを見渡した
変わらず、ガラス細工の様な花々が咲き誇っていた
だがしかし、レビィアは花々よりも鉄格子の外の景色を見ていた
外はまるで鉄格子の中とは違い、廃墟となってしまった建物と辺りに漂う火柱
そして、その中をもぞもぞ動き回る"蠢く闇"と人型の形をした意志なき生き物の様なもの
"蠢く闇"はどうやら木の破片などを食べていたらしい
しかし、"蠢く闇"の進化形である"人形"は先が鋭く尖った棒で"蠢く闇"を貫く
どうやら、"蠢く闇"の心臓でもある核を貫いたようだ
醜い弱肉強食だとレビィアは思うのであった
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