1.花園

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あれから、暫くしてアリスVSレビィアの口論は終わり互いに息を切らしていたところ 眼鏡を掛けた優しげな顔立ちをした使者が今回の目的を切り出した 「あの…食事中にお邪魔して本当に申し訳ありませんでした。今回の目的は、"蒼の竜"の捕獲です。」 「あぁ、"蒼の竜"の捕獲か…つまり、ここへ来るのは今回で最後と言うことなのか?」 「えぇ、恐らく…」 少し不安そうに眼鏡を掛けた使者は呟いた そんな顔をするのも無理はない 何故なら、"蒼の竜"により今まで死んだ者が多いからだ "蒼の竜" それは、現在アリスと使者がいる付近で最も強い"蠢く闇"の上位種の事だ 本来、"蠢く闇"は基本的に黒いスライムの様な姿をしている しかし、"蒼の竜"は赤い双角獣と思わせるような身体に蒼い鱗が敷き詰められていた 遠くから見れば竜にも見えるため"蒼の竜"と名付けられたのだ 使者達は"蠢く闇"の上位種の捕獲のために度々この世界を訪れていた 捕獲する理由は、"蠢く闇"の研究の為だそうだ しかし、"蒼の竜"のように攻撃してくる者がいる為、大変危険なことである 地上に降り立った瞬間に上位種に殺されたという最悪なケースもあった程だ だが、アリスがいる場所は鉄格子で囲まれているため基本的に上位種などが侵入することなど殆どないため、作戦などを練るのには売ってつけなのだ 「では、暫くしたら行きますね」 「了解」 アリスは、眼鏡を掛けた使者に言うと再びレビィアの方に顔を向けた どうやら、先程の口論の続きでもするらしい 「ケーキはクリームの方がの美味しいだろ!!」 「いえ、そこはチョコでしょう!?」 「お前な…さっきからのチョコばっかり言っているが、その内鼻血が出るぞ!」 「いやいや、カロリーの高い生クリームを主張している貴方が言うセリフですか!!」 …前言撤回、少し…じゃなくて結構話がずれていたようだ だが、使者達はそういうことに関しては何も言わなかった。 いや、あの激しい口論の中に入る事など無理なのだ そんな様子を横目に見ながら使者達は作戦の確認をするのであった
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