成人高校生にバージョンチェンジしてみました

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 そこは大草原。この異世界の大半は草原が特に多い。  50年前に終わった魔族戦争。人類はついに宿敵である魔族大総統を始末し、魔族帝国を滅亡へと追いやった。  しかし魔族帝国という統治機構を失ったため、魔族たちは魔族大総統が定めた法から解放されて軍閥と化し、世界各地へと拡散する。  魔族による市町村への強襲。強奪、住民の殺傷。  人類の職をお世話する「職業安定所」という連邦国家は、様々な職業を与えて魔族犯罪への対処に当たらさせた。魔族戦争によって様々な国々が崩壊し、軍や警察というシステムが崩れ、治安維持にはもはや職業安定所に頼るしかなかった。  大草原のど真ん中に2階建ての家ぐらいはある大型の狼男がいる。ビックワーウルフ。かつては魔族帝国の生粋の軍人であったが帝国が滅び、無職となったので盗賊と化して近隣住民を襲い、生活費を稼いでいた。  このビックワーウルフを沈めるために多くの人間の戦士たちが立ち向かう。彼らは職業安定所に支援を受けて「警備員」という職を手に入れた。剣術をマスターしたのは「戦士警備員」。魔法をマスターしたののは「魔法警備員」。銃を自在に操る「銃器警備員」。たくさんいる。  言ってしまえば彼らは賞金稼ぎとなんら大差のない人間たちである。職業安定所に職をお世話してもらったとはいえ、特定の企業に属しているのではない。自営業契約の労働者である。  とにかく生活費を欲しい彼らはビックワーウルフに立ち向かう。テコンドーの天才といわれたビックワーウルフは次々と警備員たちを草原の大地に突っ伏させ命を奪っていく。
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