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成人高等部がある大都市エクセリオン。
成人高等部が運営し、多くの成人高校生適性の保持者たちが暮らしている。彼らはここを拠点に世界各地で仕事を行う。
エクセリオンの職業安定所の支部ビル。
そこは毎日、定職をもとめて多くの人間が行き来する。その中に金髪のロングヘアーで褐色肌、黒縁眼鏡の成人女子高生、御祇園音瀬(おぎおんオトセ)がいる。禿頭肥満体、体臭激臭の引き籠もりの中年男性であるオトセは魔法の効力で女体化し、女子高生の若さを手に入れた。彼の意思次第であればいつでも元の男性に戻れる。
ド変態のオトセは女子高生ライフを満喫している。
ソフトクリームをなめながら飛び跳ながら歩道を歩く。そんなオトセを近くで談笑しているクラブ帰りの女子高生たちは奇異な目線で見ている。見た目は十代の少女だ。しかし、どう見ても不思議ちゃんランクの領域にいる女の子にしか見えない。一人称は「オデ」。喋り方は田舎臭い。
〓女子高生〓
「マジ何なん? あれ? 絶対、アレだよ。小学校か中学校で頭をどっかにぶつけてるよ……」
〓長身の女子高生〓
「いや、あれ多分さ……成人高校生とかいう奴らじゃん? だってさ。あいつらって魔法で女の子になったり男の子になったりしてさ気色悪いくらい動作するじゃん……」
〓チビの女子高生〓
「ありなくない!! キモイ、キモイ。絶対イヤだよ……襲われるんじゃない?」
と、女子高生たちが陰口を叩いていると、オトセ本人が飛び跳ねながら近づいてくる。
〓オトセ〓
「ね~~? そこの君たち~~~。エクセリオン第4高校の子たちでしょ? オデと一緒にガールズトークしようよ~~」
〓デブの女子高生〓
「いやぁぁぁあああああ!!!! 変態ぃぃぃぃぃいいい!!!!」
女子高生たちは一目散に逃げていく。仕方がない。魔法で女体化して若返ったとはいえ、彼女たちにとってオトセとは女装している中年男性にしか見えないからだ。当然であるが。
〓オトセ〓
「……ね~……ガールズトークしよ……」
突きつけられる世間帯の反応。オトセは急に大人しくなり、しょんぼりしながら歩く。オトセは女子高生になったことが最高に幸せだった。
この世の理解者はあくまで同じ成人高校生適性の保持者のみである。世間体がいえば変態と大差ない。
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