忘却の子ノ神ー序章ー

15/15
前へ
/58ページ
次へ
【神聖本堕神:シトラ=ヴァヴィリー】 「図に乗るなよ、愚か者が!」 【結界神:ヒュトロス】 「おとなしくしていろ」 聖界(シュロティ)を抜けたシンたちは仙人道(ナンジョフ)に行き着いた 【王神の子:シン=アルベラン】 「ファージャック、下界(シュグジャラート)との境界はどこにある?」 【仙神:ファージャック=トレオンス】 「こっちじゃ」 ファージャックの後を追いながら進んでいく 【???】 「無事か、ファージャック!それにシン殿」 【ファージャック】 「リーメイド殿!ご無事なのですか?」 【師仙神:リーメイド=アデギュランス】 「あぁ、よく戻った。ずっとお前たちを待っていたのだ」 【弟仙神:フレドリック=トレオンス】 「兄者!無事か!」 【ファージャック】 「お主も無事で良かったわい。じゃが、敵の脅威はもうすぐこちらに来る」 【リーメイド】 「そのようだな、お前たちは先に下界に行け。 我らは下界と仙人道の境界線を閉じなければならない、ともに行くことは叶わんがやることは一つだ」 【シン】 「だが、境界線を閉じてもやつらにこじ開けられては意味がない」 【フレドリック】 「大丈夫です。先程ヒュトロス殿がこちらに参られ我々に強力な結界能力の一部を施していただきました。その能力を使えば結界を張ることができるでしょう」 【シン】 「そうか、ならば急ぐぞ!ファージャック」 【ファージャック】 「待つのじゃ、ワシよりもリーメイド殿かフレドリックが行く方が先決じゃろう」 【フレドリック】 「何を言うのです兄者!私などでは役に立ちません」 【ファージャック】 「ワシとて老いぼれじゃ、お主の方が役に立つ」 【リーメイド】 「それはならんファージャック。我々に託された能力を他に移すことはできない。お前の師である私ですら能力転移はできぬのだ、許せ」 【ファージャック】 「わかりました、ワシは何としてでもシン殿とともに再び戻ってきます!」 【???】 「逃がさんぞ、お前たち」 シューッ 【リーメイド】 「来たか。さぁ行け、ファージャック、シン殿!」 【シン】 「頼むぜ」 【憎神:ゾルディアス】 「俺たちは憎神、お前たちを捕らえる」 【結界神:ヒュトロス】 「待て!お前たちの相手は私だ!」 【ゾルディアス】 「邪魔だ、消えろ」 【デスモアル】 「ソコをドケ!」 【グラモニウズ】 「フユカイダ!」 【ヒュトロス】 「リーメイド殿、行ってくれ!」 【リーメイド】 「頼みます」 スタタタタタッ 【神聖本堕神:シトラ=ヴァヴィリー】 「逃さんぞ結界神」 【ヒュトロス】 「わかっている、お前たちは私の相手だ」 【ゾルディアス】 「邪魔をするならお前から捕らえる」 【ヒュトロス】 「それでいい」 ヒュトロスは全力で四体の神々を食い止めた 【シン】 「ここが下界との境界か……行くぞ!ファージャック」 【ファージャック】 「弟よ、お主たちは必ずワシらが助ける!それまで辛抱してくれ!!」 【フレドリック】 「健闘を祈ります、兄者!…では開きます」 “天地開界(ソルブロンド)”! 下界と仙人道との境界線が繋がりシンたちは降下した 【???】 「させぬは!」 “邪悪な黒蛇(アインフラッド)”! シンたちは黒蛇に巻き付かれて身動きがとれないまま空中から下降した 【フレドリック】 「しまった!」 【シン】 「うぁぁぁッ!」 【ファージャック】 「くっ!離れん、この能力はオグロークのものか……!」 【フレドリック】 「おのれ、よくも兄者たちを!」 【リーメイド】 「フレドリック、すぐに境界を閉じろ!」 ドシュンッ リーメイドはオグロークを蹴り飛ばしてフレドリックとともに境界を閉じる 【堕悪仙神:オグローク=リムディン】 「ぐぉッ!」 “天地閉界(ソルブリンド)” 下界と仙人道の境界線が閉じた 【リーメイド】 「結界を張るぞ」 スィィィィン リーメイドとフレドリックの協力によりヒュトロスから託された結界能力を狭間に張ることに成功した 【リーメイド】 「完了だ。これで奴らが行き来することは困難となった」 【フレドリック】 「何とか間に合いました」 【オグローク】 「おのれ、なぜ奴らを下界に送った?」 【リーメイド】 「さぁな、何となくだよ」 【オグローク】 「まぁ良いわ、お主たちはクュルティン様のしもべとなるのじゃ!」 【リーメイド】 「そりゃぁ嫌だな…ま、ある程度は抵抗させてもらおうかな」 【フレドリック】 「私もそうさせてもらいます」 リーメイドとフレドリックはオグロークに対抗した 下界に進出したシンたちは身動きが取れないまま降下していた 【シン】 「ファージャック!離れるなよ!」 【ファージャック】 「この強力な黒蛇の影響でワシらは弾き飛ばされる!!シン殿、例え逸れたとしても女神のところに合流すればよい、それまでは身を潜めるのじゃ!」 【シン】 「わかった、無理はするなよ!」 そして黒蛇はやがて大きな爆発を起こし爆風によって二体は遠くまで飛ばされた 【シン】 「ぐはッ!くそ……!黒蛇が解かれてなぜ動けない!?」 【ファージャック】 「爆発の後に麻痺……そして意識障害を起こすとは…のう!厄介な……能力…じゃ」 ファージャックは意識を失いながら森の中に落ちていった 【シン】 「ぐッ!なんだ……?これは…!?」 シンは突如意識が保てなくなってきている感覚に襲われた 【シン】 「このままでは……頭から直撃してしまう。 乱雑に記憶が飛ばないように……“記憶の欠片(エフィクリート)”を各地に散り…ばめる!」 シンはその言葉通りに持っている力を振り絞って結晶化した一部の記憶を八つの欠片に変えて各大陸に飛ばした 【シン】 「くそ、意識が……飛んで…いく……!」 シンは真っ直ぐ頭から落ちて地面に直撃した
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加