『記憶の始まり』

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『記憶の始まり』

【シン】 「ここは……どこだろう?」 とある世界の危機から逃れた僕は何者かによって攻撃された その衝撃で近くにいた仲間一人とはぐれ僕は上空から落ちて気絶する とっさに記憶を結晶化させて“記憶の欠片(エフィクリート)”を各地に散りばめたのを思い出した 【シン】 「記憶を探さなきゃ」 とは言ったものの、見知らぬ景色で辺りには誰もいない 【シン】 「とにかく記憶の欠片が指し示す方へ行こう」 そう呟いてシンは立ち上がって歩いていく 【シン】 「あそこに見えるのは街?大きな街のようだけどなんだろう?」 シンは街の中に入っていった 一方、王神界ではクュルティンが神々の頂点に立とうとしていた 【獄国の闇:クュルティン】 「気分はどうだ?ディージャード」 【邪王神:ディージャード】 「最高だ。以前とは比べものにならない程の力を感じる」 【クュルティン】 「そうだろうな、お前の息子があれだけの力を得たんだ。そうなってもらわなければ困る、早速だがその力を私に分けろ」 【ディージャード】 「御意」 ディージャードは闇に堕ちたことでクュルティンの命令に従うようになっていた 【クュルティン】 「素晴らしい……これだけの力があれば私は新たな世界が築ける!」 【ディージャード】 「どのような世界を創るのだ?」 【クュルティン】 「そうだな、名を“無影界(ビヨンド)”としこの王神界(ドゥルフガ)においては再びお前に管理してもらおうか」 【ディージャード】 「良いのか?お主がずっと求めていたこの世界を私に管理させても」 【クュルティン】 「私は何もこの世界が欲しいわけではない、新たな世界、そしてより強力な神々を揃えて我が世界を築く、それこそが私の望みだ」 【ディージャード】 「ではこの世界は私が管理しよう」 【クュルティン】 「どうやら堕落前のお前が下界とこちらの境界線を閉じて結界を張ってしまったようだからな、下界の者どもと干渉したくとも干渉できないのが悔しいところだ。だが今後やつらが我らの脅威となるならばお前が蹴散らせ」 【ディージャード】 「御意、我らに仇なす者どもは私が責任を持って消しておこう」 【クュルティン】 「その言葉を期待しているぞ、ディージャード。私はこれより新たな世界を創造する」 “天地開闢(ソルブロンズ)”!! ドドドドドドドドッ ピキィッ ピキィッ 数十分に及ぶ時を経て莫大な力が放出されるとともに大きな扉が出現した 【クュルティン】 「はぁ……はぁ……ふははははッ!これが無影界に通じる無影扉(ビヨンマ)”だ。今のでかなりの体力を消耗したが、これで私の世界が始まった!」 【ディージャード】 「素晴らしい力、扉だけでこれほどまでに増大な気を放つのは初めてだ」 【クュルティン】 「これこそが憎悪に満ちた証だ。ではお前たち……私はこの扉の向こうで暫し休息に入る……それまでこの世界は……お前たちに任せるぞ……!」 【ディージャード】 「御意」 ドドドドドドドドッ クュルティンは無影扉を開いて無影界へ進出した ーー獄国(ムニヂエガ)では 【???】 「始まったようだね、面白い…果たして彼らがどこまで私を楽しませてくれるかな」 【???】 「全くアンタも人が悪いぜ、だからこそ楽しみが増えるってもんだがな」 【???】 「そうだね、我々は“神をも越える存在”として新時代の一幕となるだろう」 【???】 「ですがなぜこのような周りくどいやり方をなされるのですか?」 【???】 「簡単だよ、ほんのお遊びさ」 【???】 「これがお遊びとは、やはり貴方というお方は尋常ならざる考えをお持ちのようだ」 【???】 「ふふ…そうかもね、我々は“時を超えている時点”で尋常ではないよ」 【???】 「まぁいいじゃねぇか!“この世界の先輩”として見張ってやろうじゃねぇかよ!!」 【???】 「獄国の闇クュルティン……彼らが我々にどう反応するのかが楽しみだ」 【???】 「えぇ、本当の闇というものを教えてあげましょう」 突如現れた三人の謎の人物たちは獄国で身を潜めた ーー始まりの国 神聖日本帝国 【シン】 「よかった、人がたくさんいるみたい」 シンは街に入ると早速人に質問した 【シン】 「あの〜?ここは何て言う名前の街ですか?」 【男性】 「お、君は異国の者かい?日本語がペラペラだね。ってことは日本の事は知っているんじゃないのかい?」 【シン】 「ここは日本と言うのですか?記憶喪失になってしまってよく思い出せないのです」 【男性】 「記憶喪失?災難だったね、この国は“神聖日本帝国”で、この街は“新宿”と言うんだ。ここシャウロ大陸の中でも四大帝国に入る強国さ」 【シン】 「そんなに凄いところなんですね!どうもありがとうございました!」 【男性】 「礼には及ばないよ、日本を満喫していくといいさ」 【シン】 「本当にありがとうございました!」 【男性】 「それじゃあね、少年!」 【シン】 「どうやらこの国に僕の記憶の欠片があるようだ、ここからは少し遠いけど情報収集しながら行ってみよう」 シンは一人歩き続けた
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