『反乱軍』

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【シン】 「…おじさんだれ?」 【佐渡仁介】 「…っておい!知らないのかよ?てか俺はおじさんじゃねえ、“佐渡仁介(さわたりじんすけ)”だ!」 【シン】 「あ!さっき映像に映ってた人だ!」 【仁介】 「思い出したか、ちなみに俺はお前のことを知っているぜ?確か“シン”だろ?」 【シン】 「すごいね!正解だよ。ところでどうしてこんなところにいるの?」 【仁介】 「気になるよなぁ?…まぁ簡単に言えば、ここにいる爺さんと俺で反乱計画を企てている仲だと思ってくれ」 【音瀬源一】 「此奴は私の元部下だった男だ。若くしてこの国の帝国軍トップの座に就いた天才だよ」 【仁介】 「よせよ爺さん、アンタの方が天才だろうが」 【シン】 「そんな人がどうして反乱計画を企てているの?」 【仁介】 「まぁさっき映像に映った時の俺とはだいぶ雰囲気が違うことに気付いてるかもしれないが、俺は今密偵として活動している」 【シン】 「どうしてそんなことをしているの?」 【仁介】 「お前も聞いた通り、最高権力者である天皇が徴兵令を下し、国民の命を利用しようとし始めている…これは国の危機だ」 【シン】 「天皇は何をするんだろう?」 【仁介】 「考えられるのは四大帝国を支配することだろうな」 【シン】 「そういえばその四大帝国って何?」 【仁介】 「このシャウロ大陸に存在する四つの帝国、“アングリラ帝国”、“ファドゥン帝国”、“ランバロート帝国”、“神聖日本帝国”だ」 【シン】 「凄いね、一体どんな国々なんだろう」 【仁介】 「他は特徴無いが、アングリラ帝国については脱獄不能要塞と呼ばれている。一度捕らえられて出てこれた者はいないってな」 【シン】 「へぇ…恐ろしいね」 【仁介】 「奴らが攻めて来ないのはこの国が最強と名高いからだ。だが、内乱が起これば間違いなく攻められる」 【源一】 「それでも戦わねばならぬ、多くの命が失われることには変わりはないがな」 【仁介】 「天皇側に就けば国民の大半が無駄死にする。爺さんの奥さんはそう言っていたな」 【源一】 「どちらにせよ前天皇陛下が暗殺された理由を知るまで私はこの国に争わねばならぬ」 【シン】 「暗殺された?」 【仁介】 「誰に暗殺されたのかはわからねぇ、だが一つわかるのは息子だった“風谷明人(かざみあけひと)”、アイツになってからはこの五年間何もかもがおかしいってことだな」 【源一】 「我々はそれを調べる為に戦うのだ。天皇側に就くわけにいかぬ理由がそこにある」 【シン】 「きっと危険なのは間違いないね、でも僕も一緒に戦うよ!」 【仁介】 「言っておくが生半可な気持ちじゃ危険だぜ?……と言っても、今更引くこともできないがな!」 【シン】 「僕にとってはよくわからない問題だけど、僕は記憶(エフィ)を取り戻さないといけない!だから協力すれば見つかるかもしれない」 【仁介】 「戦いが落ち着いたら一緒に探してやるよ、お互い生き残ってればの話だがな!」 【シン】 「生き残るさ!だから色々戦い方を教えてよ?」 【仁介】 「残念ながら俺からは教えられそうにないな、まだ俺は敵に気付かれるわけにはいかない、お前は爺さんたちに任せるつもりだ」 【源一】 「悪いなシンよ、だが明日に備えてお主にもこれから準備してもらうぞ」 【シン】 「準備?」 【仁介】 「ってわけで、俺はもう戻るぜ。明日には帝国軍が出てくる、なるべく早く帝国軍基地を制圧してくれよ」 【源一】 「何も心配はいらぬ、任せておけ」 【仁介】 「俺もなるべく内側から攻める。兵力はなるべく失わないように頼むぜ」 【源一】 「無論だ」 シュッ 仁介は凄まじい速さで消え去った 【シン】 「早い…!」 【源一】 「あれは“千進(せんしん)”と呼び、私が陽光照人殿から学んだものを仁介に教えた移動方法だ。見えなかっただろう?」 【シン】 「早すぎて見えなかったよ」 【源一】 「時間があればお主にも教えたいが、残念ながら今は難しそうだ。今まで仁介たちと築いた地下がある、まずはそこに案内しよう」 二人は隠し部屋から地下に続く階段を降りていった
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