『反乱軍』

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【音瀬源一】 「それぞれ団長格には副団長を一名、補佐官を二名揃えている。隊長格には副隊長二名、補佐官を二名揃えた。人数の問題でこのような編成となっている」 【人々】 「なるべく隊長格に兵力を当ててくださっている…なんてお方だ」 【源一】 「相手の軍隊がどの程度の規模なのかが分からない以上は、我々はなるべく軍隊を分散して戦うこととする。明日に攻める場所は日本帝国軍基地だが、ここで兵力を少しでも揃えることができれば勝機の可能性は多少なり見えてくることだろう」 【人々】 「なるほど、捕らえられる国民を救出し帝国軍を味方に取り入れられれば心強い」 【源一】 「うむ、とはいえ帝国軍には天皇を崇拝する輩も多く存在する。あまり大きな増員は望めぬ上に兵力は多少損傷するはずだ。被害はなるべく抑えるつもりだ」 【人々】 「帝国軍基地を制圧した後はどうするのですか?」 【源一】 「すぐに軍を再編成し準備が整い次第、天皇が存在する“京都府”に向けて関西を攻めていく」 【人々】 「なるほど」 【源一】 「敵の規模は相変わらず掴めてはいないが、仁介と合流すれば情報の共有がしやすくなるはずだ。 では続いて指揮班について発表する」 【人々】 「一体どのような編成なのだろうか……?」 【源一】 「まずは軍略の才と智略を兼ね備えた高校生を筆頭とした指揮班の総指揮官“永妻圭佑(ながつまけいすけ)”を選出し任命する」 【人々】 「やはりあの子が選ばれたか」 【シン】 「永妻圭佑って人強いの?」 【音瀬律人】 「強いというよりは天才児って感じだな。訓練ではいつも奴と組んだ連中が上位の成績をおさめていた」 【シン】 「そんな人と戦えるなら安心だね」 【律人】 「どうだかな、敵にもそれくらいの奴がいても不思議じゃない」 【シン】 「そうだったね」 【源一】 「次は指揮班のリーダー格、第一指揮班長を元青嵐(せいら)中学校出身の“前島慶也(まえじまけいや)”に任命する」 【シン】 「…!さっきの凄い人」 【律人】 「大丈夫かよ爺ちゃん、アイツが軍を束ねられるとは思えないけどな」 【源一】 「続いて第二指揮班長は予言の子、“シン”に任命する」 【シン】 「えっ?僕がリーダー?」 【人々】 「だ、大丈夫なんですか?彼は今日出会ったばかりなのでは?」 【源一】 「念のため私の孫と強力な助っ人を添えている」 【音瀬響鬼】 「シン、できなければ替えてもいいがどうする?」 【シン】 「もちろんやるよ!得体の知れない僕を期待してくれることに誇りが持てる」 【律人】 「こいつの事は俺に任せてください」 【人々】 「それなら…いいけど」 【源一】 「では次に第三指揮班長は元咲良(さくら)中学校出身の“工藤大悟(くどうだいご)”に任命する」 【人々】 「あの子か」 【源一】 「中学生ながらにして巧みな武道と知恵を持ち優秀な成績をおさめ続けた人物だ」 【律人】 「大悟か…あいつなら適任だな」 【シン】 「どんな人?」 【律人】 「まぁ一言で言えばあいつも天才だな、この歳で数々の大人相手を訓練とはいえ容赦なく倒してきた男だ」 【源一】 「続いて第四指揮班長を私の孫である“音瀬鳴貴”に任命する」 【人々】 「さすがは音瀬一家だ。でもまだ若いのに大丈夫なのかな?」 【源一】 「鳴貴の実力は私が保証する。訓練では完全に能力を発揮したことはなかったが、戦闘力においては律人以上に強い」 【音瀬鳴貴】 「はっ、当然だな」 【シン】 「律人…鳴貴が凄いドヤ顔してるけど大丈夫?」 【律人】 「ま、こいつはお調子者だからなぁ」 【鳴貴】 「う、うるせーよ!」 【律人】 「照れるなって!お前の実力が認められたんだ、もっと喜べよ」 【鳴貴】 「あ、あぁ…そうだな」 鳴貴は少し嬉しそうな表情を見せた
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