忘却の子ノ神ー序章ー

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ーー5年後 神界ーオリエンの聖門 【仙神:ファージャック=トレオンス】 「シン殿、このままでは聖門が破られる……!すぐに撤退をせねばなるまい!」 ⚪︎神暦:二十歳【王神の子:シン=アルベラン】 「ならん、この地が突破されれば父上に危険が及ぶ。何としても死守するぞ!!」 【ファージャック】 「しかしもはやワシらの手には負えぬ 邪神軍の力は増大でレイス殿の消息も絶たれてしまった今では勝ち目はない!」 【シン】 「黙れファージャック、兄上はそんな弱いやつではない。今はとにかく増援が来るまで待て」 ゴゴゴゴゴゴゴゴッ 【???】 「ほう…これは、王神の息子“シン=アルベラン”殿ではないか」 【ファージャック】 「!!?まさか、お主はエルガルド!?」 【天邪神:エルガルド】 「そして貴様は確か、ファージャック=トレオンスか」 【ファージャック】 「エルガルド殿…何をしておられるのだ!?すぐに加勢をお願いしますぞ!」 【エルガルド】 「加勢だと?愚かな……私に命令など千年早いわ!」 ゴゴゴゴゴゴゴッ 【シン・ファージャック】 「な、なんなんだこの禍々しい力は!!」 【ファージャック】 「エルガルド殿……まさか!?」 【エルガルド】 「消えよ、“孤独の咆哮(ゼッタ)”」 ドゥオン!ドゥオン!ドゥオン! 【シン・ファージャック】 「ぐぁッ!!!」 【ファージャック】 「なんだ!?この重圧は……!!」 【天邪神:エルガルド】 「我が名は天邪神エルガルド。貴様たちも早く邪神の力を受けるがいい」 ゴゴゴゴゴゴゴゴッ! 【ファージャック】 「ぬぅ……!!シン殿、ここはワシが食い止める!シン殿は王神界に行って報告を頼む!」 【シン】 「くっ……!ファージャック、ここは頼んだぞ!」 タッタッタッタッ 【エルガルド】 「逃すものか!」 【???】 待たれよ、エルガルド!! “四方結界(インギュラム)”! 【エルガルド】 「なっ……なんだと!?」 スィーン スィーン スィーン スィーン エルガルドの周りには正方形の四角い結界が張り巡らされた 【ファージャック】 「あなたは?」 【結界神:ヒュトロス】 「私は結界神“ヒュトロス”だ。ディージャード様の緊急命令により邪神を結界に閉じ込めるよう仰せつかった」 【ファージャック】 「助かりました!!他の邪神についてはまだ遭遇しておりませぬ」 【エルガルド】 「おのれ……小賢しい真似を!!……だが、到着されたようだな」 我らが“クュルティン”様 【ヒュトロス】 「何っ?クュルティンだと!?」 【獄国の闇:クュルティン】 「ダメじゃないかエルガルド、その結界は一度閉じ込められたら暫くは出てこれないんだよ」 【エルガルド】 「申し訳ありません、一体どれほど掛かるのですか?」 【クュルティン】 「残念だが私でも解くことはできない、彼ヒュトロスにはかつて私も捕らえられた借りがある。そこから出るには数百年は掛かる」 【エルガルド】 「な……なんだと!?おのれぇ……ヒュトロス、キサマァァァァッ!!!」 【ヒュトロス】 「また現れたか、“獄国の闇”クュルティン!」 【クュルティン】 「貴様は気付いていないかもしれないが、私は 貴様への憎悪で膨れ上がっているんだよ、ヒュトロス君」 【ヒュトロス】 「黙れ、ディージャード様を裏切った者が!」 【クュルティン】 「もういい、貴様は私の前から消えてくれ」 “支配ノ刻(ムルフダール)” 黒き渦巻く黒い闇がヒュトロスたちを襲う ブオォォォォォォ “導光(ニルプス)”! シュォーーッ 【???】 「大丈夫か?ファージャック、ヒュトロス」 【ファージャック】 「レイス殿!ご無事で何よりでございます!ワシらは間一髪助かりました」 【クュルティン】 「今の能力は何だ……?いや、それよりも君は何者だ?」 【王神の子:レイス=アルベラン】 「俺の名は“レイス=アルベラン”王神の息子で次期王神の後継者だ」
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