忘却の子ノ神ー序章ー

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【獄国の闇:クュルティン】 「王神の息子……そうか、あの時の能力と同じだと思ったら奴の息子だったか」 【王神の子:レイス=アルベラン】 「どうやら各地で神々が堕落していると聞いている、お前は一体何をするつもりだ?」 【クュルティン】 「私はお前たちを今度こそ完全に支配し新たな世界を創造する。その為の準備は既に揃っている!」 【レイス】 「世界を創造したらどうするつもりだ?」 【クュルティン】 「私こそがすべての神々の頂点に立つ、お前の父親が王神である存在を私は許さない」 【レイス】 「ふざけるな、父上はこの世界で最初に誕生した者として全ての神々への責任を持っている、 なりたくて王神になったわけじゃない」 【クュルティン】 「黙れ小僧、私はやつと同じ瞬間に誕生して過ごしてきた。私がこの世界の王になろうとした時、やつが阻止してきたのだ。数千年の間、獄国で永遠に解放されることなく捕らえられていた私の気持ちが貴様などにわかるか?」 【レイス】 「俺が聞いている話では父上を裏切ったのはお前だと聞いている。すかさず父上はお前の悪意を見抜いて捕らえたにすぎん。その憎悪が無くなれば解放はされていたはずだ」 【クュルティン】 「要は貴様ら親子は私を完全に排除したいらしいな、ならば私が今度は貴様たちを利用させてもらうぞ」 【レイス】 「完全に排除したいと思ったら存在ごと消すはずだ、それをしない理由くらいわかるだろう?」 【クュルティン】 「貴様らは私の存在を消す以前に苦痛を与え続けた。もはや問答は無用と知るがいい」 “支配ノ刻(ムルフダール)”!! 【レイス】 「くっ、お前の心はもはや邪悪に満ちている!」 “導光(ニルプス)” 【クュルティン】 「仕方がない、貴様に見せてやろう。私が王神である証を」 “邪悪光(ジナプス)” 【レイス】 「なんだ、それは?」 【クュルティン】 「なに驚くことはない、貴様たち親子が使う能力の真似事だよ」 “導光”! 禍々しい闇の光はレイスの光を包み込む 【レイス】 「あり得ない、相殺できないだと?」 【クュルティン】 「私の憎悪が強大すぎて貴様の能力では押し返せないようだな」 【レイス】 「黙れ、俺はまだ全力ではない」 “導光”!! 闇の光が徐々にレイスの光に包まれていく 【クュルティン】 「ほう……さすがは王神の息子だ。ならば徹底的に王神の証(力)というものを見せなければならないようだ」 “能力無視(シュルフモンド)”!! シュッ レイスの放った光が一瞬で消えてしまった 【レイス】 「何が起こった……?」 【クュルティン】 「終わりだ、王神の息子よ」 “憎鎖(メーザ)” クュルティンの身体からとっさに黒い鎖が凄い速さで出現し、レイスの身体を縛りあげる 【レイス】 「ぐっ、しまった!」 【クュルティン】 「私の能力は憎悪そのものだ。掻き消したいほどの憎悪さえあれば、貴様らの能力は容易く消せる」 【レイス】 「そんなことが……できるはずがない!」 【クュルティン】 「それができるのが私の素質だ」 “支配ノ刻(ムルフダール)” 【クュルティン】 「安心するがいい、やがて貴様の父親も同じようにしてやる」 【レイス】 「くそッ!ファージャック、ヒュトロス、逃げろ!!」 【クュルティン】 「無駄だよ、私からは逃れられない」 【結界神:ヒュトロス】 「ファージャック殿!お主をディージャード様のもとへ送る!」 “結界転移(ギュライン)” ヒュトロスはファージャックを王神の元へと送り届けた 【クュルティン】 「一体は逃したか……。君の能力は私でも消すことができない、だからもはや君の存在自体を消すことにしなければ厄介と見た」 “消滅ノ刻(ブロンダール)” 【ヒュトロス】 「その能力はこの結界には効かぬ!」 “四方結界(インギュラム)”! 【クュルティン】 「それはどうかな?」 ヒュトロスが張った結界の内側から突如黒い闇が現れた 【クュルティン】 「私の支配ノ刻では君を支配することができないことはわかっていた。だが存在そのものを消滅させるこの能力であれば、君の能力は無に還る」 【ヒュトロス】 「そんな……バカな……!ディージャード様……申し訳ありません……!!」 うぁぁぁぁぁぁッ! レイスは闇に支配され、ヒュトロスはその場から消え去った 【クュルティン】 「さてエルガルドよ、その結界が解けた後は天界を守護せよ」 【天邪神:エルガルド】 「承知いたしました」 【クュルティン】 「さぁ……王神の息子レイスよ、新たな同胞として歓迎する。お前にはこの神界の守護についてもらう、よいな?」 【堕神:レイス】 「はい、クュルティン様」 【クュルティン】 「ではこの世界は任せるぞ」 クュルティンは神界から移動した
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