社長の右腕

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「いい話……?」 私はその場に立ち尽くしたまま一人で首を捻(ヒネ)った。 考えてもわかるはずもなく、眉間には深くシワが浮かぶ。 すると、私のデスクで電話が鳴るので、私は慌てて電話に駆け寄った。 社長宛の外線への対応を済ますと、今度は先程よりも低いコール音が鳴る。 社長からの内線だ。 手元でメモの準備をしながら受話器を取ると、社長はコーヒーを淹れるように私に告げた。 「わかりました。すぐにお持ちします」 返事をしながら立ち上がると、 社長は「慌てなくていいから」と、言い添えて電話を切った。
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