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すると、社長が私に呼びかけた。
「安藤君」
「はい」
私が振り返ると社長は小さく笑う。
「コーヒーをもう一つ。それと、布川君を呼んでくれ」
「……わかりました」
私はゆっくりと返事をして社長室を後にした。
部屋を出ると、お盆を自分のデスクに置き、立ったまま布川さんに内線電話を掛けた。
社長がお呼びだと言うと、布川さんはすぐにやって来た。
私は思わず布川さんに駆け寄った。
「室長……」
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