社長の右腕

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役員室で交わされる会話や対応などには秘書は一貫して見て見ぬフリ、聞こえていないフリを貫くのが鉄則だ。 さっきは、視線だけとはいえ、徳島部長にたいして感情を剥き出してしまった自分を反省した。 それは、上司である布川さんの存在がそう思わせたのかもしれなかった。 私は自分の不安が極力顔に表れないように俯き加減でテーブルを離れようとした。 すると、徳島部長が口を開いた。 「お許し願えますか?」 その言葉は社長に向けられていた。 そして、その言葉を受けた社長が…… 私を見つめた。
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