社長の右腕

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どうやら、例の件で布川さんは思った以上にダメージを受けているようだ。 彼は椅子を回転させて一度窓の外を見た後、私の正面で椅子を止めた。 「どうやら……大幅な人事調整が入るらしい」 彼は重たい口を開き始めた。 「人事調整……ですか?」 「ああ。もちろん、ここだけの話にして欲しいんだけど、いわゆる人件費の削減だ」 「リストラ……ですか?」 手のひらにじわりと汗が滲んだ。 私にとっては他人事ではない話題だ。 「いや、そんな物々しいものじゃないんだけどね」 彼はそう言って説明してくれた。
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