社長の右腕

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涙が出なくなるまで泣いた私は 布川さんが勧めてくれた蕎麦焼酎で体内の水分を補った。 そんな風に言えば聞こえはいいけど、 単に気分がよくなってお酒が進んだだけだった。 布川さんは私のペースに口を出すこともなく、 終始笑顔で付き合ってくれた。 店主もいつだってベストなタイミングで美味しい料理を出してくれた。 私が泣いている最中も、 そっと見守って、 その後、空っぽになった私を温かい料理で満たしてくれた。 「さて……、今日はここまでだな」 布川さんの言葉で私たちは席を立った。
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