彼の思惑

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彼女の目の奥が不気味に光る。 彼女は完全に肉食系女子だ。 「そのために……経理部に?」 「まあね。私、簿記も二級なら持ってるし」 「簿記二級!?」 声がひっくり返ってむせそうになった。 「……そうよ?別に驚くことじゃないでしょ。結構資格持ってる子多いよ?」 「……だよね。そうだよね」 私はそう答えながらもまだ驚きで次の言葉が出なかった。 もちろん、驚いたのは彼女がその資格を持っていることではない。 彼女のような人材がいるのに、私を経理部に入れようとしている『彼』に驚いているのだ。 彼の考えていることが全くわからなかった。 そういう意味では 確かに、彼は、 ……食えない男だと思った。
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