二度目の異動

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「徳島君にはいずれ君を紹介しようと思っていたんだが……彼からこんな提案をされるとは思っていなかったんだ」 社長の言葉の意味を図り切れず、目を見開く私に社長は少しだけ悲しげな表情を見せた。 「君には申し訳ないと思ってる。私たちの勝手で振り回してしまって、本当に申し訳ない」 「そんなことありません。こんな大きな会社で働いたのは初めてでしたし、ここに来てからもいろいろな経験をさせていただきました。それに……社長は約束どおり、私を正社員にして下さいました」 「君にはここで長く勤めてもらいたいからね」 「ありがとうございます。社長からそんなお言葉をいただけるなんて……社長秘書をしていた者の特権ですね」 私の言葉で社長は表情を明るく塗り替えた。
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