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部長は真っ直ぐに室長を見ていた。
「申し訳ありません。なかなか都合が合わないもので」
室長も部長をまっすぐに見返した。
すると、部長が小さく笑った。
「彼女に避けられてるんじゃありませんか?」
冷静な部長らしからぬ発言に胸の奥がヒヤリとした。
「どういう意味ですか?」
案の定、部長の言葉に室長が食って掛かりそうになる。
「……部長、行きましょう。室長、今は仕事中ですからまた連絡します」
私は部長の一歩前に出た。
けれど、部長は動かなかった。
「俺への牽制(ケンセイ)のつもりか?そんなものが?笑えるな。
それより先に、彼女を辱(ハズカ)しめたことに気付かないのか?」
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