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中に残してきた布川さんの様子が気になった。
もしも就業時間でなければ少しでも話が出来たのに、彼がこのタイミングを選んだことで、私も身動きが取れなかった。
けれど……
もしも、時間外であったとしても、
今のように徳島部長を前にして同じ行動をするのであれば
私はその時も……
どうすることもできなかったのかもしれない。
後ろ髪を引かれる思いで廊下に出て、
少し先を行く部長の背中に小走りで駆け寄った。
かと言って、何か言葉を掛けるわけではない。
布川室長の行動はもちろん予想外のものだったけれど、
私にとっては徳島部長の言動も予想外だった。
彼が不快になるのは当然だけれど、
部長なら最初の一言だけで話を終わりにするものだと思ったのだ。
それが、いつもとは口調まで違っていた……。
先程の部長と室長のやりとりを思い出すと、
どうしてだろう……
なんだか落ち着かなくなる。
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