忍び寄る過去-2

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「……それ、誤解ですから」 部長は無言で私を見下ろしていた。 「私がそれを無くしたの、最中……とかじゃないですから」 部長はそれでも口を閉じたままだった。 なのに、自ら続きを口にしてしまう私はいったいどうしてしまったんだろうか。 「室長とは……まだ何も……ないんですから」 私の目線がぐるりと意味のない方へ移動した。 何でこんなことを彼に説明しているのかわからなくなる。 恥ずかしさで顔が熱くなり、眼鏡の鼻を押さえるパッドの部分が少し汗ばんだ。
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