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廊下の奥の窓はブラインドが下がったままだった。
そのために昼間と言えども薄暗い。
秘密の部屋って……
もしかして、拷問部屋だろうか。
そんなはずはあるわけないのに
今度は恐ろしい想像が頭に浮かんで身震いした腕を手のひらでさすった。
部長は真っ直ぐにその奥に進む。
部長の革靴の音と私のヒールの音が追いかけっこをして響いてくる。
「ここだ」
立ち止ったのはコンクリートの壁に埋め込まれたグレーの扉の前だった。
廊下の向こうからでは目立たな過ぎてここに扉があることにも気付けなかった。
「ここ……何かの倉庫ですか?」
私は首を傾げた。
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