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ソファでは部長が窮屈そうに眠っていた。
その姿ももう見ることはないだろうけど、それよりも部長の寝顔を見られるのはもうこれっきりかもしれない。
私は物珍しさもあって、部長の顔をそっと覗き込んだ。
下がった眉と意外にも長い睫毛。
いつも苦手な視線は封じられ、こうやって目を閉じていれば案外可愛い。
「……って、別に可愛くないし」
心の声と実際の声が一人で勝手にノリツッコミをしている。
そして、間近で改めて見る唇の傷。
そこに伸ばしかけた指を静かに戻し、そのまま自分の唇に触れていた。
「ホントに……全然わかんない……」
私はポツリと呟いて、一旦寝室に戻るとクローゼットで見つけたタオルケットを部長に掛けた。
そして、キッチンで水を飲み、静まり返った部屋に「おやすみなさい」と囁いて寝室に戻った。
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